2026.09.01

防塵塗装とは?種類別の特徴や施工手順・工期と選び方を詳しく解説

防塵塗装とは?種類別の特徴や施工手順・工期と選び方を詳しく解説

工場や倉庫、物流施設などのコンクリート床では、歩行や台車走行にともなって表面から粉塵が発生してしまうことがあります。放置すると、製品への異物混入や精密機器の故障、作業者の呼吸器への負担、床面の劣化など、日々の業務や従業員の健康状態に様々な悪影響を及ぼしかねません。こうした粉塵の発生を抑える対策として行われるのが防塵塗装です。防塵塗装では、表面強化剤や防塵塗料などの材料が用いられ、製品への付着や作業環境への影響を軽減し、清掃しやすさや美観の向上にも役立ちます。

ただし、防塵塗装には床表面に塗膜を形成する塗膜型と、コンクリート内部に浸透して表面を強化する浸透型があり、仕上がりや施工方法が大きく異なります。現場の課題や下地状態に応じて適切な方式を選ぶことが重要です。

本記事では、防塵塗装の目的や種類、選び方、施工手順、工期について、わかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 防塵塗装の目的とコンクリート床に必要とされる理由
  • 塗膜型と浸透型の違いと向いている場面
  • 使用環境や下地状態を踏まえた選び方の考え方
  • 施工手順と工期を左右する要因

そもそも防塵塗装とは?

そもそも防塵塗装とは?

防塵塗装とは、コンクリートやモルタルの床から発生する粉塵を抑えることを主な目的とした床の防塵処理のことを指します。製品によっては粉塵対策だけでなく、掃除のしやすさや美観の向上にも寄与します。はじめに、その目的と必要とされる理由を整理します。

なぜ防塵塗装が必要なのか?

防塵塗装を施す主な目的は、床表面から発生する粉塵の抑制です。コンクリートの表層は、歩行や台車・車両の走行などによる摩耗が繰り返されることで細かな粉が生じることがあり、これを抑えることで、設備の故障防止や清掃コストの削減、作業者の呼吸器への負担軽減など、作業環境の改善につながります。

特に精密機器や食品を扱う現場では、粉塵が製品への異物混入や精密機械の故障を引き起こすこともあるため、極めて重要です

コンクリート床に防塵塗装が必要な理由

コンクリートは、砂や砕石をセメントで結合した多孔質な素材であるため、他の床材と比べて表層が摩耗・劣化しやすく、経年的に粉塵が発生しやすい特性があります。

また、コンクリート表面にレイタンスなどの脆弱層が残っている場合、それが粉化の一因になり得ます。レイタンスとは、コンクリート打設時に表面へ浮き出る微細な物質の層です。こうした粉塵は、製品への付着や機械・設備への影響、作業環境の悪化につながる場合があり、現場の状況に応じた対策が求められます。

防塵塗装の主な種類

防塵塗装の主な種類

コンクリート床の防塵対策には、大きく分けて塗膜型と浸透型があります。それぞれ原理や仕上がり、施工方法が異なるため、現場で必要とする性能に合わせて選ぶことが大切です。

塗膜型と浸透型の主な違いは、以下の通りです。

方式 特徴 向いている場面
塗膜型 床表面を塗膜で覆い、機能を付与する 色や防滑性、耐薬品性などを付与したい現場
浸透型 コンクリートに浸透して表層を強化する 素地の質感を残しながら発塵や摩耗を抑えたい現場

塗膜型(樹脂塗膜)の特徴

塗膜型は、床表面を樹脂などの塗膜で覆って粉じんを抑える方式です。エポキシ系、ウレタン系、アクリル系などがあり、耐摩耗性や耐薬品性、防滑性、乾燥性などは製品仕様によって異なります。樹脂の種類だけで用途や性能を一律に判断できるわけではありません。

また、色や光沢を選べる製品も多く、意匠性を高めたり、用途に応じた機能を付与したりしやすい点が特徴です。一方で、下地の含水や汚れなどによっては剥がれや浮きが生じることがあるため、適切な下地処理が施工品質を左右します

浸透型の表面強化材の特徴

浸透型は、コンクリート内部に材料を浸透させて表層を強化し、粉じんや摩耗を抑える方式です。たとえばケイ酸系の表面強化剤では、成分がコンクリート中のカルシウム成分と反応し、C-S-Hなどの反応生成物を形成することで表層を緻密化・硬質化します。塗膜を形成しないため、塗膜型で生じるような剥離が起こりにくく、コンクリート素地の質感を残しやすい点も特徴です。

その一例として、AFJ株式会社のダストプルーフシリーズが挙げられます。これはコンクリート表面の強化や耐摩耗性の向上、粉塵抑制を目的とした浸透型の製品です。また、AFJ株式会社では、下地を改質・強化して防塵性を高めたうえで、塗膜による意匠性や機能を付与できる製品も取り扱っています。

AFJの製品は、浸透型だけでなく塗膜を形成するタイプでも、コンクリートを改質して粉じんを抑えながら、用途に応じた機能や意匠性を付与できます。素地の質感を活かすか、色や仕上がりを加えるかなど、目的に応じて選定することが重要です。

ダストプルーフシリーズの防塵塗装を施した面の実際の質感は、無料のサンプル・技術資料請求から確認できます。

防塵塗装の選び方

防塵塗装の選び方

防塵塗装を選ぶ際は、価格だけでなく、使用環境や下地、施工する場所が将来どのように使われるかや施工時に発生する臭気、乾燥時間などを判断することが大切です。続いては、防塵塗装に使うと塗料や施工方法を検討する時に確認したい点を整理します。

使用環境に適した塗料を選ぶ

当然ながら、工場や倉庫、物流施設、食品関連施設、内装現場など、用途によって床面や壁面に求められる性能は異なります。そのため、薬品への耐性や台車・車両の走行頻度、防滑性、耐熱性、屋内外の使用環境などを踏まえて選定することが重要です。

例えばAFJ株式会社のダストプルーフシリーズでは、下記のように現場の課題に応じた製品選択が可能です。

  • 耐荷重性や耐摩耗性を特に重視する:ダストプルーフHARD
  • コストを抑えて防塵性を確保したい:ダストプルーフECO
  • 駐車場などで白い粉塵の発生を抑えたい:ガレージ&ウォール

耐久性や密着性を確認する

塗料の性能を発揮させるには、下地との適合が欠かせません。施工前に確認しておきたい主な項目は、以下の通りです。

  • ひび割れや欠けの有無
  • 油汚れなどの汚染状況
  • コンクリートの含水状態
  • 既存塗膜の有無や状態

含水状態や汚染状況によっては、密着不良や膨れ、剥がれにつながる場合があります。材料の性能だけでなく、下地条件との適合を確認することが施工品質の確保につながります。施工前に下地の状態をチェックしておきましょう。

臭気や乾燥性を確認する

稼働中の施設では、施工時の臭気や施工後に使用を再開できるまでの時間が重要な検討要素になります。AFJ株式会社の塗料は水系のため、施工時に強い臭気を感じにくい点が特徴です。工場や倉庫など、周囲への臭気の影響を抑えたい現場でも検討しやすいでしょう。

歩行可能となる時間や完全硬化までの時間は、製品仕様によって異なります。施工計画を立てる際は、メーカーの仕様書や施工条件を確認することが重要です。稼働停止できる時間との整合を図ることが、現場運用上のポイントになります。

防塵塗装の施工手順

防塵塗装の施工工程は、塗膜型と浸透型で具体的な内容が異なります。一方で、下地確認と下地処理が重要である点は共通しています。続いては一般的な流れを整理します。

工程 主な作業内容 ポイント
下地処理 研磨・清掃・必要に応じた補修 汚れや脆弱層を適切に除去する
材料の塗布 使用する製品の仕様に沿って施工 塗膜型と浸透型で施工方法が異なる
乾燥・養生 所定の乾燥・養生時間を確保する 気温・湿度・製品仕様を確認する

下地処理を行う

下地処理は、防塵塗装の仕上がりを左右する重要な工程です。防塵処理には、樹脂で塗膜を形成するタイプと、コンクリート表面を改質するタイプがありますが、いずれも施工前に下地の状態を確認する必要があります。研磨やケレンなどにより、汚れや脆弱層、レイタンスなどを除去し、必要に応じてショットブラストなどの工法を用います。

ひび割れや欠けがある場合は、適切な補修材で補修してから塗装に進むのが基本です。AFJ株式会社では、100%セメント成分の「クラックフィラー」や「ディボットパッチ」を取り扱っており、コンクリートになじみやすく、補修跡を目立たせにくい仕上がりが期待できます。下地処理や補修が不十分だと、仕上がりや密着性に影響する場合があるため、下地の状態に応じた適切な処理が重要です

塗料を塗布する

塗布の工程は、塗膜型と浸透型で考え方が異なります。塗膜型では、製品仕様に応じてプライマー、下塗り、上塗りなどを行う場合があります。塗布回数や工程は製品によって異なるため、一律に決まっているわけではありません。

一方、浸透型では材料をコンクリートに浸透させて表面を強化するため、塗り重ねの考え方が塗膜型とは異なります。浸透型には1回塗りで施工できる製品もあり、工程数が塗膜型と大きく変わる場合があります

乾燥・養生する

塗布後は、所定の乾燥・養生時間を確保します。必要な時間は製品ごとに異なり、気温や湿度、施工条件によっても変化します。防塵塗装全般で共通する固定値があるわけではありません。

歩行や車両走行などの使用を再開できる時期は、製品仕様に従って判断します。硬化が不十分なまま荷重をかけると、塗膜や表面が損傷する場合があります。稼働再開の計画は、仕様書に記載された時間を基準に立てることが重要です。

なお、工期は方式や製品、施工面積、下地状態、乾燥・養生時間などによって変動します。浸透型は工程が比較的少なく短期間で施工できる製品もありますが、塗膜型は工程ごとの乾燥時間が必要になる場合があり、日数がかかることがあります。施設を停止できる時間や区画施工の必要性も踏まえて、工期の目安は事前にメーカーや施工会社に確認しておくことをおすすめします。

よくある質問

Q. 防塵塗装の単価はどのくらいですか?

A. 結論、防塵塗装の単価は、使用する材料や施工面積、下地処理の内容によって大きく変動します。一般的な傾向として、浸透型は比較的コストを抑えやすく、意匠性の高い塗膜型は単価が上がりやすい傾向があります。ただし塗膜型と浸透型でも工程が異なるため、一律の相場として示すことは難しいのが実情です。正確な費用は、現場条件を踏まえたうえでメーカーや施工会社に見積もりを依頼することをおすすめします。

Q. 塗膜型と浸透型はどちらを選べばよいですか?

A. 一般的に色や光沢など仕上がりの意匠性や、用途に応じた性能を付与したい場合は塗膜型が、コンクリート素地の質感を残しながら粉塵を抑えたい場合は浸透型が向いていると言われます。

しかし、現在は塗膜に使われる樹脂、浸透型に使われる塗料の技術がともに進化し、色や光沢など仕上がりの意匠性に優れた塗料や塗膜が薄くても十分な効果を発揮する樹脂などが登場しています。

Q. 稼働中の施設でも施工できますか?

A. 臭気や乾燥時間、区画施工の可否などを確認したうえで、条件が整えば施工できる場合があります。使用再開できるまでの時間は製品仕様によって異なるため、施設の運用スケジュールと合わせて検討することが必要です。

まとめ

防塵塗装は、コンクリート床などから発生する粉塵を抑える対策として用いられ、清掃性や美観の向上にも役立ちます。方式には塗膜型と浸透型があり、防塵処理を施す原理や仕上がり、施工方法が異なります

具体的な塗料の選定にあたっては、使用環境や下地状態、必要な性能、臭気、乾燥時間などを総合的に判断しましょう。工期も製品や現場条件によって変わるため、仕様書や施工条件を確認したうえで計画を立てる必要があります。

AFJ株式会社では、コンクリートの粉塵対策に使用できる浸透型表面強化剤「ダストプルーフシリーズ」をはじめ、防塵強化剤や塗料を取り扱っています。実際の仕上がりや性能は、技術資料や製品サンプルでご確認いただけます。サンプル・技術資料のご請求からお問い合わせください。

この記事のまとめ

  • 防塵塗装はコンクリート床などの粉塵対策として用いられる
  • 塗膜型と浸透型は原理・仕上がり・施工方法が異なる
  • 使用環境・下地状態・必要性能・臭気・乾燥時間を確認して選ぶ