2026.09.15

モルタル外壁・内装の上に塗装する際の注意点・おすすめ塗料・費用

モルタル外壁・内装の上に塗装する際の注意点・おすすめ塗料・費用

モルタル外壁やモルタル仕上げの土間・床に塗装する場合は、下地の含水率やひび割れ、表面状態を確認したうえで、使用する塗料に適した下地処理と施工方法を選ぶことが重要です。下地の状態を十分に確認せず施工すると、塗膜の膨れや剥がれ、ひび割れの再発につながる場合があります。

この記事では、AFJ株式会社の製品を用いた施工方法を中心に、モルタル外壁・内装の下地処理や施工時の注意点、用途に応じた塗料の選び方を解説します。あわせて、仕様を検討する際の参考として、一般的な塗料の特徴や費用の目安についても紹介します。

この記事でわかること

  • モルタル塗装前に確認したい含水率やひび割れなどの下地状態
  • モルタル外壁・土間床・室内壁を塗装する際の注意点
  • 用途や仕上がりに応じた塗料・関連製品の選び方
  • モルタル外壁の塗装費用と工程別・塗料別の費用目安

モルタル外壁に塗装する前に下地の状態を確認する

モルタル外壁に塗装する前に下地の状態を確認するモルタル外壁の塗装では、下地の含水率や劣化状態を事前に確認する工程が仕上がりと耐久性を大きく左右します。下地の状態を把握しないまま塗装を進めると、短期間で不具合が表面化するおそれがあります。

コンクリートに比べてモルタルは表面がきめ細かく緻密になりやすい一方、内部には毛細管状の空隙が多いため吸水率自体は高くなりやすく、乾燥のしやすさも下地の配合や施工条件によって差が出ます。既存の外壁であるか新設のモルタル下地であるかによっても、事前に確認すべき項目が変わってきます。

含水率を計測してから塗装の可否を判断する

コンクリートやモルタル下地への塗装は、含水率がおおむね10%以下であることが塗装可否の目安とされています。水分を多く含んだ状態で塗装すると、塗膜の変色や色むら、付着性の低下、クラックや剥がれのリスクが生じる場合があります。含水率は高周波水分計などで計測し、基準を上回る場合は乾燥期間を確保することをおすすめします。

高圧洗浄で下地表面の付着物を除去する

下地処理では、高圧洗浄によって汚れやコケ、劣化した旧塗膜を除去し、塗料が下地に適切に作用できる状態に整えることが重要です。AFJの塗料は、セメント基材と直接反応することで硬質化を促し、下地を強化するため、基本的にシーラーを必要としません。

一方、一般的な塗料では、モルタルへの吸い込みを抑えるためにシーラーなどの下塗り材を使用する場合があります。必要な下地処理は使用する製品によって異なるため、施工前に各製品の仕様を確認します。

ひび割れの幅に応じて補修方法を使い分ける

モルタル外壁に生じるひび割れは、幅によって適した補修方法が異なります。幅0.2〜0.3mm未満のヘアークラックはフィラーの刷り込みや弾性フィラーで対応し、幅が大きいひび割れについては、原因や深さを確認したうえでVカット・Uカットなどによる補修を検討します。表面的な塗料補修のみで構造クラックに対応した場合、数年程度で再発する可能性があるとの指摘もあり、下地の補修範囲を見極めることが重要です。

ひび割れ補修に使用する材料は、施工箇所や欠損の状態に応じて選定します。ひび割れの幅や深さを見誤ると、上から塗装しても短期間で再発するおそれがあるため、補修方法の判断は慎重に行う必要があります。

モルタル床のひび割れ補修には、AFJ株式会社の「Crack Filler(クラックフィラー)」のような床用補修材を使用できます。一方、壁面のひび割れを補修したうえでAFJの塗料を施工する場合は、塗料と下地が適切に反応できるよう、セメント系の補修材を使用する必要があります。

補修材の種類によっては塗料との反応を妨げ、剥離の原因となる場合があるため、壁面に使用する補修材は施工前に適合性を確認することが重要です。

モルタルの上に塗装する際は湿気対策を優先して検討する

モルタルの上に塗装する際は湿気対策を優先して検討するモルタルは湿気を内部にため込みやすい性質があるため、塗料の防水性と透湿性のバランスを踏まえた選定が仕上がりの安定に関わります。防水性のみを重視すると、内部の水分が抜けにくくなる場合があります。

また、湿気による不具合を防ぐには、塗料の性能だけでなく、施工前に含水率や表面状態を確認し、製品の適用条件に合った下地に整えておくことも重要です。

モルタル内部に水分が残った状態で透湿性の低い塗膜を形成すると、塗膜の膨れや剥離につながる可能性があります。AFJの塗料を施工する場合も、下地の含水率や表面状態を確認し、製品ごとの適用条件に沿って施工することが重要です。設計・仕様検討の段階では、防水性だけでなく、下地から水分が抜けることも考慮して製品を選定します。

なお、下地への水分の浸透を抑える方法として吸水防止剤が用いられる場合もありますが、適用の可否や使用方法は下地の状態や採用する仕上げ材に応じて確認する必要があります。

モルタル内装に塗装する際の注意点

モルタル仕上げの土間や床、室内壁は、意匠性の高さから内装・外構双方で採用が増えていますが、外壁とは異なる注意点があります。土間や床では滑りやすさと施工工程の管理、室内壁では下地の粉化やひび割れへの対応が主な論点です。玄関や店舗の土間、ガレージの床など、人や車両が直接接する部位では、外壁以上に安全性と耐摩耗性のバランスを意識した検討が求められます。

表面の滑りやすさに配慮した仕上げを選ぶ

モルタル仕上げの土間床は表面が滑らかになる分、滑りやすさへの配慮が必要です。対策としては、床表面に凹凸を付ける加工のほか、砂利や石を混ぜて表面を洗い流す洗い出し工法、型を押し付けて模様を付けるスタンプコンクリートなど、防滑性と意匠性を両立する施工法があります。子どもや高齢者が利用する施設では、特に転倒リスクへの配慮が求められます。

モルタル床は下地状態と使用環境を確認して塗料を選ぶ

モルタル床に塗装する場合は、表面の汚れやレイタンス、ひび割れ、既存塗膜の有無などを確認し、塗料が適切に作用できる下地に整えることが重要です。また、歩行量や車両走行の有無、屋内外といった使用環境によって求められる性能も異なります。

AFJでは、素材感を活かしながら着色できる「AQUA COLOR(アクアカラー)」シリーズや、表面を強化して防塵性・耐摩耗性の向上を図る「Dustproof(ダストプルーフ)」シリーズなどを取り扱っています。採用する際は、下地条件や施工方法、求める仕上がりを確認したうえで製品を選定します。用途によっては、エポキシ系やウレタン系などの床用塗料が選択肢になる場合もあります。

室内壁は下地清掃を徹底する

室内のモルタル壁にAFJの塗料を施工する場合は、塗料が下地に適切に反応できるよう、粉化した部分や汚れ、油分などを十分に除去しておくことが重要です。ひび割れや欠損がある場合は、使用する塗料との適合性を確認したうえで補修し、下地を整えてから施工します。

AFJの塗料はセメント基材と直接反応するため、基本的にシーラーを必要としません。室内壁の仕上げでは、下地状態と製品ごとの適用条件を確認し、求める色や質感に応じて「アクアカラー for wall」などの製品を検討します。なお、一般的な壁用塗料ではシーラーなどの下塗り材を使用する場合があります。

モルタルにおすすめの塗料をタイプ別に整理する

モルタルは部位や用途によって求められる性能が異なるため、単一の塗料をすべての箇所に使うのではなく、外壁・床・意匠仕上げといった目的別に適した塗料タイプを検討することが重要です。同じモルタル下地でも、屋外か屋内か、歩行や荷重を受けるかどうかによって優先すべき性能は変わるため、まず用途を整理したうえで塗料タイプを絞り込む進め方が有効です。

外壁には下地との反応性を考慮した塗料を選ぶ

モルタル外壁に使用する塗料は、求める仕上がりだけでなく、下地との反応性や適用条件を確認して選ぶことが重要です。AFJの壁面用塗料はセメント基材と直接反応するため、施工前には汚れや既存塗膜を除去し、塗料が下地に適切に作用できる状態に整えます。

ひび割れや欠損がある場合は、使用する塗料との適合性を確認した補修材で処理し、下地を整えてから施工することが重要です。そのほか、求める性能や仕上がりによっては、ひび割れへの追従性を持つ弾性塗料などが選択肢となる場合もあります。

まずは土間床には防塵性を重視して製品を検討する

モルタル仕上げの土間床では、耐摩耗性や防塵性を確保しつつ、コンクリート本来の素材感を活かした仕上がりを求められる場面が多くあります。こうした条件では、まず表層を緻密化して防塵性や耐摩耗性の向上を図る浸透性表面強化剤の採用を検討するのが基本です。

AFJ株式会社の「Dustproof HARD(ダストプルーフ ハード)」などは、コンクリート・モルタルに浸透して表層を強化し、素材感を活かしたまま防塵性を高められる製品の一例です。併せて、撥水性を付与する「Water Repelant(ウォーターリペラント)」や「Floor Reflect(フロアリフレクト)」といったオプション塗料の組み合わせを検討することで、用途や求める仕上がりに応じて機能を追加できます。新設のモルタル土間だけでなく、既存の土間床を改修する場合にも、下地の含水率や既存塗膜の有無によって適用できる工法が変わるため、現地の特性を踏まえた製品選定が求められます。

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意匠性と機能性を両立する質感を付与する塗料を検討する

着色や質感の付与といった意匠性に加えて機能性も重視する場合は、表面強化成分を配合した塗料が選択肢になります。半透明に着色して色ムラや質感を活かす水性コンクリートステイン塗料「AQUA COLOR(アクアカラー)」シリーズや、木目調や石材調、メタル調といった意匠表現ができる「塗るテクスチャー」シリーズは、意匠性と防塵性・耐摩耗性の両立を意図した製品の一例です。

意匠系のテーマでは、色や質感、光沢感を実物で確認したうえで採用可否を判断する進め方が一般的です。特に施主や設計者への提案段階では、図面や写真だけでは仕上がりのイメージが伝わりにくいため、複数の色・質感のサンプルを並べて比較検討できるようにしておくと、仕様決定までの手戻りを減らしやすくなります。

モルタル塗装の費用目安を工程別に把握する

モルタル外壁の塗装費用は、足場・下地調整・塗料グレードなど複数の工程の単価が積み上がって総額が決まります。

外壁塗装の総額相場を坪数別に確認する

モルタル外壁塗装(塗り替え)の総額相場は、複数の専門業者情報で概ね次のような幅が示されています。あくまで目安であり、建物形状や劣化状況によって変動するため、実際の費用は現地調査を踏まえた見積りで確認する必要があります。

延床面積の目安 塗装面積の目安 総額費用の目安
30坪程度 148〜200㎡程度 70万〜120万円程度
40坪程度 198〜260㎡程度 90万〜150万円程度
50坪程度 247〜330㎡程度 110万〜180万円程度

工程別の㎡単価を確認する

足場仮設は700〜1,200円程度、高圧洗浄は150〜300円程度、下地調整は300〜1,500円程度、中塗り・上塗り(塗料代を含む)は800〜1,800円程度が㎡単価の目安として示されています。見積り比較の観点では、足場代が総額のおよそ2〜3割程度を占めるとされており、足場・高圧洗浄・下地調整・上塗り塗料グレードといった項目を個別に確認することが適正価格の判断につながります。

塗料グレード別の㎡単価と耐用年数を比較する

塗料グレード別の㎡単価(材工共の目安)は、シリコン系1,800〜2,800円程度、フッ素系2,800〜4,000円程度、無機系3,500〜5,200円程度とされ、弾性塗料は単層弾性1,100〜1,500円程度、微弾性1,200〜2,400円程度、複層弾性1,600〜2,000円程度とする記載もあります。これらはグレード別の単価であり、前述の工程別の目安(中塗り・上塗りの合計800〜1,800円程度)とは出典が異なるため、単純に足し合わせて比較しないようご注意ください。

耐用年数の目安は、アクリル系5〜7年、ウレタン系6〜10年、シリコン系8〜12年程度(出典によっては10〜15年とする記載もあり)、ラジカル系12〜15年程度、フッ素系12〜16年程度(出典によっては15〜20年とする記載もあり)、無機系15〜25年程度と紹介されています。

モルタル塗り工事と塗装費用の違いに注意する

費用情報を確認する際は、モルタルを塗る左官工事自体の単価と、モルタル外壁に塗料を塗装する費用を混同しないよう注意が必要です。左官工事としてのモルタル塗りの㎡単価は、普通モルタルで1,200〜4,000円程度、防水モルタルで3,500〜6,000円程度など、施工内容によって幅があります。これは下地となるモルタルを施工する費用であり、その上に塗料を塗る塗装費用とは別の工程・単価であるため、見積書を確認する際は項目を区別して読み取る必要があります。

よくある質問

Q. モルタル外壁は塗装しなくても問題ありませんか?

A. モルタル自体に防水塗装を施さない仕上げ方もありますが、経年で吸水率が高まりひび割れが進行しやすくなる場合があります。防水性や意匠性を高める目的で塗装や表面処理を行うかどうかは、立地環境や求める意匠性を踏まえて判断することが一般的です。

Q. 新築のモルタル外壁はどのくらいの期間を置いてから塗装できますか?

A. モルタルは施工直後は含水率が高いため、一定の乾燥期間を確保したうえで含水率を計測し、目安となる基準を満たしてから塗装するのが一般的な流れです。具体的な乾燥期間は気候条件や下地の厚みによって変わるため、現場ごとに含水率を確認して判断します。

Q. モルタル内装の塗装は施工会社に依頼せず自分たちで行えますか?

A. 一畳程度の小規模な範囲であれば対応できる場合もありますが、高所での脚立作業や下地補修を伴う場合は安全確保が難しくなります。仕上がりの均一性や安全面を考慮すると、範囲や条件によっては施工会社への依頼が推奨されます。

Q. 塗料の色や質感はどのように事前確認できますか?

A. 塗料メーカーが提供するサンプルやカタログを活用し、実際の色・質感・光沢感を施工前に確認する方法が一般的です。意匠性が重視されるモルタル仕上げでは、図面や写真だけでなく、実物のサンプルで確認したうえで採用可否を判断することが推奨されます。

まとめ

モルタル外壁やモルタル内装への塗装では、下地の含水率やひび割れ、汚れ、既存塗膜などの状態を確認し、使用する製品に適した下地処理を行うことが重要です。AFJの塗料はセメント基材と直接反応する製品があるため、施工前には下地を適切に整え、補修材を使用する場合も塗料との適合性を確認する必要があります。

費用面では、足場・下地調整・塗料グレードといった工程ごとの単価を個別に確認し、モルタル塗り工事(左官工事)と塗装費用を混同しないことが適正な予算判断につながります。数値や耐用年数には出典間で幅があるため、断定せず目安として扱う姿勢が仕様検討の場でも重要です。見積りを比較する際は、総額だけでなく下地調整の範囲や塗料グレードが同条件かを確認したうえで判断すると、施工会社間の比較が正確になります。

色・質感・防塵性など実物で確認したい要素がある場合は、サンプルや技術資料の取り寄せが選定の助けになります。

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この記事のまとめ

  • モルタルへの塗装は含水率確認と部位別の下地処理が仕上がりを左右する
  • 色・質感・防塵性を実物で確認したい場合はサンプル・技術資料の請求を検討する